よくばりパズルアドベンチャー「ペーパーマリオ オリガミキング」

CMを見てね、雰囲気がヨッシークラフトワールドっぽくていいな〜、それなのにホラーっぽいってのが面白そうだな〜、っていうフワっとした理由で買ってみました。「ペーパーマリオ オリガミキング」。

結論から言ってその辺の期待には当たり前のように応えてくれて、流石はマリオを冠するゲームだなといったところだったのですが…このゲームにはね、もっとスゴいところがあったのよ。

絶品!パズルバトル

自分はこの戦闘システムについてお気持ち表明せずにはいられない。

今回の戦闘はフィールドを回転、もしくはスライドさせて、既定の時間と手数以内に手前の2×2マスか1列に敵を整列させるという目新しくも単純なパズルが軸になっています。とにかくシンプルなルールで分かりやすい。解答も縦並びか四角並びの二通りしかない。手数も多くて3回までだ。

こりゃどう見たってイージー!まぁ小さなお子様もやるゲームだし〜?知育感を出しとけば親御さんにも手を伸ばしてもらいやすいだろ〜みたいな〜?

じゃないのよ!

この戦闘はダレるということを知らない。鉄板の解答方というか、コレさえやっておけばいい!という戦い方が全く無いんだよ。チュートリアルからラストダンジョンまでずっ〜と同じことしかしてないのに。

簡単な問題にもちょっとした引っ掛けがあったり、一方で難しいものでもひと目で諦めたくなるようなものは無く、いかにもちょっと考えれば解けそうな顔をしてこちらを惑わす。この憎たらしさよ。パズルをよくやる人でも脳味噌がくすぐったくなる感覚をたっぷり味わえるんじゃないかな。

自分はその「一見して簡単そう」な難しいパズルが本当にクセになっちゃって、避けて進める敵にも積極的にケンカをふっかけ始めるありさま。別にパズルが目的で買ったワケじゃないのにいつの間にかイチバンの楽しみになっていました。それほどの面白さだよ。

しっかしこのパズルは本当にオリガミキングのためだけにイチから考え出したのかな?長い歴史のある名高いボードゲームが元ネタにあるんじゃないの?もりもとゆきお氏は天才だな。

あ、でもでも!

どうしてもパズルはキツいわって人もそりゃあ居るでしょう。だけど安心してほしい、このゲームはパズルがイヤな人を突き放したりはしないから。

そもそも敵はシンボルエンカウントなので大半は戦闘自体を避けられるし、戦闘になってしまって解けないときには二つの手段が用意されています。

ひとつはコインを支払ってシンキングタイムを伸ばす方法。そしてもうひとつは、コレがスゴいんだけど、やはりコインを支払ってキノピオに解いてもらうことができちゃうんです!

パズルをする戦闘システムなのにそのパズルをカネで解決できるという、ちょっと正気を疑うほど手厚いサポートのおかげで自分で負荷を調整しながら進めることができるってワケ。

んで、これがまたちょっと面白いんだけれどね。やっていればすぐに気づくことなんだけれど、基本的には制限時間内に解けなそうだったらすぐにキノピオに正解を聞いた方がコインの効率がいいんですよ。1手なら100コインぽっち、3手全部やってもらっても999コインで即解決。そこからノーダメージボーナスやウェーブボーナスなんかを貰えれば利益が出ることさえある。

それなのに!ついついシンキングタイムを伸ばす方を選んじゃうんだよね〜!

だってほら、みんなでクイズやってる時とかクイズ番組なんかを見てる時とかさ、熱中してる時ほど自分で解けるまで答えを言ってほしくないでしょ?オリガミキングは本当に全部解けそうに見えちゃういい塩梅だから、なんだかもどかしくって延長しちゃうんですよ。

それくらい楽しいパズルだってこと、伝わるかな〜。
あ〜それと、あとちょっとだけパズルバトルの話をさせてくれ。

ザコとは一線を画す巨大なオリガミを始めとしたボス戦はまた違った趣があって良いんだコレが。

こちらもパズルではあるのだけれど、ザコ戦と比べるとそれ自体の難易度は低め。ボスに攻撃するためのルートを作る戦いなんだけど、その道中をどう組み立てるのかは自由なので明確な正解というものは無いからね。

しかしボスは個性豊かな特殊能力でルート作りを妨害し、強力無比な攻撃でマリオを仕留めんとしてくるぞ!その見た目や動きから能力の性質を読み切り、妨害に負けずにルートを構築し、豪快なフィニッシュをキメろ!

頭脳とパワーのぶつかり合いはさながら念能力者やスタンド使い同士のバトルのような独特の手応え。緻密なザコ戦とダイナミックなボス戦のコントラストがメリハリ効いてていいんだよね、コレはぜひいちど触れてほしいな。

盛りだくさんの旅

長々とバトルのことばっかり書いちゃったからこっちは手短に。オリガミキングは戦闘だけじゃなくって、その旅自体をめいっぱい楽しませてくれました。

冒頭でも書いたけれど、全てが紙で作られた世界のビジュアルは期待を裏切りません。そのロケーションは実にバリエーションに富んでいて、めまぐるしく変わる世界は鮮やかそのもの。まずは目から楽しませてくれます。


そして気になっていたホラー要素は思った以上に強烈で、それでいてこちらもバリエーションが多かったです。ジワジワと追い詰めるような怖さから登場キャラクターが紙じゃなかったら間違いなくCERO-Zの鮮烈なスプラッター描写まで、あらゆる手法で恐怖を演出してくれています。

まぁ、そうは言っても結局は紙だし、マリオの世界観に混ぜ込むとなんだかクスッと笑えちゃうのもまた独特な感覚でした。ルイージマンションみたいなモンかな。


他にもこのゲームはとにかく遊びがこれでもかと詰め込まれていまして、ダンジョンの謎解きもあり、パズルじゃないアクションバトルもあり、そこかしこにミニゲームがあり、収集要素もあり、唐突に始まる漫談あり、ミュージカルあり、脳トレありと、プレイヤーを退屈させると死んでしまうのかというくらい絶え間なく何かを起こしてくれていた印象でした。

バトルがパズル中心ということもあってちょっと重めなところにアクションを挟んでくれたり、ジットリとした話の後には軽妙な話をしてくれたり、そういう抑揚の付け方も小気味よくて気持ちよかったな。

あ〜もう最後最後!今回のストーリーね、イイよ。

まとめ

主軸はパズルとアドベンチャー。

その中でアレもコレも何でも楽しませちゃえってカンジの遊園地みたいなゲームでした。ペーパーマリオといえばRPGのイメージだったけれど、今回あえてタイトルからRPGを外した理由はそういう何でもアリなゲームだからなのかも。

戦闘は適度な難易度のものとピリッとくるものがイイ具合に配置されているし、よきところで雰囲気の違うボスバトルを挟むので飽きにくい。さらにストーリーも抑揚が効いていて、笑いあり恐怖あり、そしてまさかの涙ありで最後までリズムよくノっていけました。

ただ、ひとつ難点を挙げるとすればそれはファストトラベルのしにくさ。今回のマップは見た目にも美しく、広さも密度も申し分ないのだけれど、マリオがBダッシュ出来ないのもあって探索するには随分と移動に手間取っていたように感じました。そこへきてファストトラベルも特定の場所でしか出来ないのもあってなかなか億劫。せめてダッシュできるか、とあるファストトラベルポイントまでワープできるか、どちらかがあると快適だったかなと思います。

でもその点を鑑みても全体としては大満足!バトルよしストーリーよし謎解きよしアクションよし小ネタもよしで総合力の高いゲームです。子供から大人までみんなが楽しめること間違いなし、ぜひぜひオリビアちゃんとの奇想天外な旅路を楽しんでほしいな。

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