ニクいアンチクショウへ対抗する力はもう手が届くところにある。ここでキッチリとアイテムを揃え、レベルが上がりそうな人のレベルを上げ、装備を打ち直し、万全の態勢で祭壇へと向かうぞ!
魔女の時も万全とか言ってたな…いやでも今回はホントに万全だから!
命の大樹
祭壇の前でボスくらい出てくるかなって思ってたけどそんな事もなくアッサリとたどり着けた。万全いらなかったわ。勇者が祭壇の中央に立つとオーブたちはシャボン玉みたいにふわりと舞い上がり、虹色の枝で見た通り彼ら自ら台座へ収まった。
すると祭壇が虹色に輝き、そこから光の道が命の大樹へと繋がった!
オーブを揃えれば命の大樹への道が示されるとは聞いていたが、まさか本当に道ができるとは。しかしずいぶんと迂回させられるな…はたしてロウは登りきれるだろうか。
命の大樹は始祖の森以上に原生林といったおもむき。
こういう特別な場所に来るとみんなテンションが上がっちゃうのか、命のサイクルに想いを馳せたり、突然「実は高い場所ニガテなのよね」ってカミングアウトしたり、大樹の魂を今にも盗み出しかねないほど好奇心を爆発させたりしていた。
それと全ての葉が命と繋がっているんだから間違っても摘むなよと念を押された。ハッハッハ、そんなことしませんがな!
ヤバ…。
勇者の剣
命の大樹の最奥部、光り輝く大樹の魂を発見!そしてその中には一振りの剣が入っている。それは紛れもなく勇者ローシュの持っていたもの、もしくは剣神ドラゴンクエストのコントローラー、俗にいうロトの剣ってやつだな!コレがウルノーガを打ち倒す力ってワケだね。最高だな…。
このなんとも美しい光景をみんなしてしばらく見ているうちに、シルビアがそれとなく触れてみようとする。でも電撃のバリアみたいなもので弾かれちゃうんだよね。
まぁまぁ下がっていなさいな。ここは勇者の晴れ舞台。
ロフィの紋章が輝き、その左手を差し出すと魂を覆っていたツタは持ち場を離れた。ロトの剣はロフィの手に収まることを待っているかのようだ。
さぁ勇者よ。今こそ剣を手に取り、ウルノーガ打倒へ向かうのです。早く。さぁ早く!
だって後ろに誰かいるんだもの!早く取らんかい!
アッサリとは手に入らないだろうなとは思っていたけどやっぱり何かがあった!謎の右手から闇の魔弾が放たれるとそれはロフィの背中に直撃、気を失ってしまった。ツタも再びその役目につく。
この異常事態に仲間たちが振り返ると…あぁ、なんてことだ。
そこにいたのはホメロス…。
いままさに手に入るはずだったロトの剣で対抗するハズだった魔王ウルノーガだ!まさか尾行まで得意だったとはな、そんな鎧でよくやるぜ。
みんなはウルノーガだと知らないだろうがホメロスはホメロスで明らかな敵!即座にマルティナが駆け出して飛び蹴りを浴びせかけた!
だがその鋭い一撃は見えない壁に阻まれてホメロスまで届かない。ヤツは驚くマルティナを挑発しつつ、輪をかけて驚くべき行動に出た!
なんと祭壇にあるはずのパープルオーブを取り出し、そこから衝撃波を放つと一撃で勇者一行をなぎ倒してしまった!
なんでお前がそれを持っている?オーブを取り外しても大樹への道は残ったままなのか?それよりそのオーブを使った攻撃はなんだ?そもそもなぜ攻撃が通じない?
混乱する自分をよそにホメロスは勝どきがわりの口上を垂れ流す。
喜べ、我が宿願のいしずえとしてくれる。みたいなやつ。加えてほとんど正体を表したも同然なのにまだ悪魔の子なんて呼んで来やがる。誰がどう見たって悪魔はお前の方だろうよ!
トドメを刺しに来るホメロスに対抗するべく、ロフィはフラフラと立ち上がる。え?戦うの?そいつラスボスじゃないの?まだ正体を表す一歩手前的な?
VS.ホメロス
なんかよくわからんがとにかくホメロスは倒す!以前の戦いからドルマ系呪文を使って来る事を知っているのでベロニカがマジックバリア、さらに通常攻撃に備えてセーニャがスクルト。以前戦った時とは違うのだよ。
案の定ドルマ系の呪文ドルクマを使ってきたがダメージはカミュでも60。おや、大した事ないな。
とはいえやはりベロニカは向いていなかったかもしれない。ホメロスのはやぶさ斬り1発でHPが一桁に。それでも二人がベホイムを使えるからベロニカ程度であればすぐに全快可能だ。防御呪文さえ絶やさなければこの戦い、勝てるぞ!
防御の準備は整った。まだバイキルトはかかっていないが、ウチのアニキが本物のはやぶさ斬りを見せてやろう!
ずぉりゃあああッ!
う〜〜〜ん、効かないッ!ちょっとそんな気がしてたッ!こいつぁ負けイベントかな?
もしかしたら勇者の力で攻撃すればバリア的な何かが剥がれて攻撃が通るかとも思ったけれどソレもダメ。ゾーンに入ったベロニカが魔力を覚醒させたメラミでもダメ。
うぅ〜ん、相手の攻撃は十分に受けられるのにもどかしい。そうしているうちにまたしてもオーブを使った攻撃。魔力を暴走させて闇の力を解き放ったって言ってたな、マダンテに近い技なのかもしれない。それを受けて全員がダウンしてしまった。
なんか勝てる試合を落としたみたいでムカつくな。一矢報いたいから精神攻撃でもするか。
ちょっと恥ずかしい姿を晒してやろう。
「怪奇!密林に潜むトンガリ男!」といった具合だな!どうだホメロスめ、少し心が傷んだだろう、フハハ!
世界の終わり
ホメロスの圧倒的な力を目の当たりにして、ロウは正体に察しがついたようだった。地面に転がる勇者一行に目もくれず、大樹の魂へと歩み寄るホメロス。もうホメロスじゃなくていいか、ウルノーガだ。
でもヤツがいかに強くても大局的に見ればそこまで問題は無い。この場の支配権を得て恍惚としているが、その魂は勇者でなければ触れることすらできないのだから。
そして事態は好転することになる!背後からホメロスを呼び止める声。その主はもちろん…
来た!グレイグ!
クレイモランの一件でホメロスの異変を感じ取っていた彼はやはりヤツの動向を追っていたのだ。というか二重に尾行されていたのか、勇者たちはもっと緊張感を持って旅をしような。
さらにデルカダール王まで同行していてホメロスに逃げ場はない。でもコレはちょっとミスったかもな。ヤツは魔王ウルノーガなのだから、その目前に王をさらすというのは危険極まる。
でもグレイグはホメロスが闇に染まって自分たちが勘違いをしていることに気づいてはいるものの、ずばりウルノーガであるとはわかっていない。
何か対策を持っていてほしいところだったが特に無いっぽいな…。しかし裏切り者を王の前で成敗するのだとヤル気だけは人一倍だ。かつては双頭のワシとまで呼ばれたグレイグとホメロスが、命の大樹で剣を交える!
え?
は?
グレイグはあまりにもアッサリと倒れてしまった。
彼を倒したのはデルカダール王だ。それもホメロスと同じような技で背後から一撃。その後、倒れたグレイグに対してご苦労だったなと声をかけた。
いま起きたことをそのまま受け入れるだけで精一杯だよ。なんでこんな事に?理解の追いつかない自分やグレイグを尻目にデルカダール王はホメロスの元へと近づいていく。
その時だ。急にガクガクと体を震わせ、虚ろな目で瘴気を吐き出し始めた。その勢いはひたすらに増し続ける。
そうか、デルカダール王はスデにホメロスによって操られていたのか!グレイグは王を疑うことは無いから彼を暗殺するにはうってつけの人物だったんだろう。
しかし、この考えもまた的外れだった。自分は最後まで全く気づく事ができなかった。
かつてウルノーガは腹心に化けて国を滅ぼした。
しかしそれはたまたまその手を使っただけにすぎなかったんだ。むしろ「化ける」というのも数少ない手がかりを元にした推論に過ぎなかった。
ヤツは対象を生かしたままその体を乗っ取る事ができたんだ。
それがたとえ一国の王だったとしても!
デルカダール王がウルノーガだったのだ!
あからさまに魔王ってカンジの見た目してやがる、しかもめちゃくちゃ変身しそうだ!
王様の体を抜け殻のように脱ぎ捨ててその姿を表した魔王は勇者を仕留めたホメロスを讃える。ホメロスはコイツの部下に成り下がっていた、ただそれだけの話だったのだ。しかし一体なぜ…?
魔王は自分に考えるスキを与えない。
手に持った杖を振りかざすと、もはや動けないロフィの体がふわりと浮かび上がって奴の前に差し出された。
そして今度は左手に真っ黒な瘴気をほとばしらせたかと思うと次の瞬間。
その手をロフィの胸に突き刺した!
さすが魔王、エグいことしやがる…。勇者は奴の腕を掴んで抵抗するがまるで歯が立たず、ただただ苦痛に悶えるばかり。
そうしているうちに生まれた時から左手にあった紋章は光を失い、ついには初めから無かったかのようにきれいさっぱり消えてしまった。
それだけならまだマシだった。
信じられないことに魔王の左手には勇者の紋章が現れている!ヤツは勇者の力を奪うと言っていたが、その小さな球がそれなのか?
もうわからないことだらけだが、とにかくこれはマズい、ひっじょーにマズい。なにせ大樹の魂は勇者の力に反応してその封印を解いてしまうのだから!
…いや、でもさすがにねぇ?勇者の力を得たとはいってもコイツは魔王だぜ?命の大樹としたってコイツには剣を渡したくないでしょうよ。
もう無茶苦茶だコイツ…なんでその剣を魔王が持っているんだよ、こんな事があっていいハズが無いだろう…。
でも所有者が誰であれ鍵が合えば錠前は開く。現実もドラクエも同じか…パスワードは厳重に保管しようみたいなメッセージさえ感じるよ。そういやコイツって乗っとったり鍵を奪ったり、なんだか悪いハッカーみたいな奴だよな。実はそんなモチーフがあったりして。
ココまでメチャクチャやってもヤツの蛮行はまだまだ止まらなかった。
まずは剣を手に入れてしまえばもう用は無いとばかりに勇者から抜き出した赤い球を粉砕する。ロフィは苦しそうに胸元を押さえていたけど大丈夫だろうか…いやもうスデに全然大丈夫じゃないんだけれども。
そして今度は手にした勇者の剣に魔力を注ぎ込むと、なんともバチあたりなことにそれをまがまがしい魔王の剣に作り変えてしまった!
原型が全く無い…なんだか刀身が分厚そうで、剣というよりは鈍器に見える。峰の部分にあるトゲトゲは必要なの?いやそれよりカシラについてる目は…これ自体が魔物なのかしら?
そんな事を考えている間にヤツはどんどん作業を進めていく。大樹の魂のチカラをいただくと叫ぶと、作ったばかりの魔王の剣を大樹の魂へ深々と突き立てた!
まばゆい金色の光が剣を通してウルノーガへ流れ込んでいるのが見える。生命の根源、全ての命を統べる大樹のエネルギーの全てを魔王が奪っているのだ。
どんどんチカラを失っていく命の大樹。
その青々と茂っていた葉はみるみる枯れていき、ついにはその全てが落ちてしまった。世界の命と繋がっている葉が全て…。
力を吸収しきったウルノーガは先ほどとはうってかわって真っ黒な鬼のように筋骨隆々な姿になっていた。
その結末は以前とは大きく違ったものになってしまった。あと一歩で倒せるハズだった魔王は今まで以上に強大な力を手にし、守るべき命の大樹は枯れ果てた。
いったいどこで間違えたんだろう。この作品のサブタイトルが頭をよぎる。過ぎ去った過去をやりなおしたい。
ウルノーガが咆哮をあげると、晴れ渡っていた空は禍々しい紫に染まる。
命の大樹は地に落ちた。
命の大樹のない世界
あっという間の崩壊劇だったな…イロイロと理解が追いつかない事が起こりまくったけど、とにかくウルノーガの力がヤバいことになったという事だけはわかった。そして今も理解は追いついていない。どういうワケか海に沈んでいるロフィ。
幼い頃の思い出が脳裏に浮かぶ。
幼少ロフィはエマと仲直りする方法を考えていた。ペルラは「ただやり返すのはカッコ悪いこと」とか「キチンと話をして考え方を知り、相手のことが見えれば握手で解決」みたいな事を言ってくれてた。
どうしてこんな事を思い出したんだろう。
思い出の中でロフィが眠りにつくと、今度は何者かの声が聞こえる。勇者はもうどこにもいない。死んだ。世界は我のものなり。
そうなのか…おおロフィ、死んでしまうとは情けない。これにてドラゴンクエスト11完。
じゃあ誰が勇者ロフィの代わりを務めるっていうんだ?そう、もちろんロフィは生きていた!
おぼろげながら目を覚ますとどういうワケか目の前が魚ばかりだったが…そうか、ココは海底都市ムウレア。海に落ちたのは幸運だったのかもしれないな。ここの女王様は全てを見通してるワケだし、勇者たちがヤバいことになってるのを知って助けてくれたに違いない。
ロフィが起き上がると魚たちは散り散りに去ってしまった。まったく何だって言うんだ、取って食ったりしないよ。っていうかみんな顔見知りじゃ無いのか、こっちからは区別がつかないけどさ。
完全に目覚めた勇者は辺りを見渡す。一枚の鏡が目に止まった。
どれだけの「まさか」を重ねれば気がすむんだ堀井雄二。
次回、ファインディングロフィ。
前回 攻略日記23 「神語りの里」の書
次回 攻略日記25 「最後の砦」の書
0 件のコメント :
コメントを投稿