掛けまくも畏きえーでるわいすと遍くスタッフ等。
このゲーム大好き!
畏み畏みも白す。
限界サクナヒメ信徒のクダ巻き
ちょっと感情先行でワケわかんなくなるかもだけどご了承賜りたく。この気持ちは抑えきれそうにない。
もうさ~、独自の稲作要素にやりがいがあるとか、いやいやそれ以上にアクションが面白いとか、実はストーリーが凄いとか、そんなことをモリモリ書いたけど全部消しちゃった。
だってね、このゲームにとってその辺が面白いなんて当たり前のことなんですわ。世に出すからには面白い域に達してて当然だと思って作ってるってことは触ったらすぐわかるよ。もうバツグン。文句なし。
で、天穂のサクナヒメはそこから先が凄い!ねぇ聞いてる?おっちゃんのハナシ聞いてるか?こっからが凄いんだから!
サクナヒメはさ、ただ面白いんじゃないの。面白さを途切れさせないのがメチャクチャ凄いの。面白かったな〜っていう満足感を感じている最中でもまだ面白さを突きつけてくるの。
で、そのキモになってるのが、やっぱ稲作なのよね〜。
正直なところ自分もね、プレイする前は稲作で話題性を狙った、ちょっとバズるのがせいぜいのゲームだと思っていました。えぇえぇ思っていましたともすいませんね。いきなりファーミングシミュレーターはキツいかなってところに気軽に稲作できそうなゲームが見えたから手を出しただけですとも。
でもそうじゃない。確かに目を引くための要素でもあるのだろうけれど、稲作はゲームに必要だから入ってる。っていうか、より良くするために必要だったんだよ。
というのも、サクナヒメは稲作シミュレーションと同等かそれ以上に2Dアクションゲームであって、それはそれはスピーディで小気味のいい歯ごたえのあるアクションが楽しめました。コレだけでも十二分に遊べるほどのクオリティ、稲作が無くても全然オッケーでしょってくらい。
ただ!時はゲーム戦国時代。それだけでは凡百のアクションゲームの中に埋もれてしまう。特にインディーズゲームは良質な2Dアクションで溢れかえっていて血で血を洗う戦いを繰り広げている。「2Dアクション」に「和風」をつけただけではまだ弱い。
そして、なんたってアクションは忙しい。どれだけ面白くたって疲れは溜まる。どこかで休憩したくなる。今日はいいかなって日もあるかも。そうすると、もしかしたらそのまま休憩から帰ってこなくて最後まで遊んでもらえないかもしれない。
…ハイここ!ここで稲作の出番ですわ!
稲作×アクション!?はい話題性良好!そして稲作パートがあることでアクションパートをごく自然に区切ることが出来るからアクション疲れを起こさない!いっぺんに解決!
しかもだ。動のアクションと静のシミュレーションが交互にリズムよく繰り返されることで飽きが来にくい。さらにアクションと別の軸があることで、アクションが苦手でも稲作でカバーできるし、逆にシミュがニガテでもアクションが得意ならそっちでカバーする事もできる。どっちもニガテでもとりあえず苗を植えとけば時間がカバーしてくれる。結果!多くの人が最後まで遊べる!天才!全人民のためのゲームだ!ばんざーい!ばんざーい!
極めつけにこの稲作とアクションの相互作用によって面白さのサイクルが始まっちゃうワケ。
右足で稲作ペダルを踏み込んだが最後、必要に駆られて左足でアクションペダルを踏み込むことになり、それで素材を集めたり探索度が高まることで今度はさらに強く稲作ペダルを踏み込み、強くなった左足はより一層強くペダルを踏む!そうするうちにストーリーはドンドン前に進んでさらに右!左!面白さのサイクルは際限なく加速する!疲れを知ることなく!
しかもその道中には小さな喜びやモチベーションとなるものがたくさん転がってるのよ。稲が育って来た!新しいステージをクリアした!真価を解放できた!キッチリ中干しできた!チェックポイントまでたどり着いた!ボスを倒した!そして米ができた!来年は香り高い米を作るぞ!天返宮の先へ進むぞ!
稲作とアクションによる終わりなき喜びのラリー!まさにサイモンとガーファンクルのデュエット!ウッチャンに対するナンチャン!高森朝雄の原作に対するちばてつやのあしたのジョー!
ふぅ。ってな具合でね。やればやるほど、このゲームがもたらしてくれる充足感に絡めとられていっちゃうのよ。もう止めようがないのよ。丁寧に作られた稲作とアクションは軸というよりももはや自転する歯車、二つはガッチリと噛み合ってお互いを回転させ続けてるワケなのよ。
あ、でもね、実はもうひとつ重要なファクターがあるんです。
稲作とアクションのサイクルがゲーム全体のサイクルだとしたらこれはゲーム内の1日にあたる小さなサイクルをシメる要素。サクナヒメはご飯を食べないと力が出ないので、よほどのことがない限りは1日に1度食事をします。
まずこの一旦シメるっていうのがね、うまくいった日もタフな日も平等にTomorrow is another dayの精神で新たなスタートを切れる。これが遊びのリズムとしてとても良い。特にタフだったときはね、ヘコみ過ぎなくて済むのもいい。
それで時々発生するキャラクター同士の会話ね、これがかなり効いてるんですわ。同じ釜の飯を食う仲とは良く言うけれど、まさしくズバリまさにそれ。キャラクターとプレイヤーの垣根を取り払ってくれている感覚になるのよ。
余談だけどっていうかまぁ全部余談レベルだから今更なんだけど余談だけど、このゲームの登場人物は第一印象だとみんななかなかハイレベルなクソヤローさ。サクナヒメも含めてね。だから結構拒絶反応ある人もいると思うの。
自分もさぁ〜、もっと拒絶しときたかったな〜って思うんだよね、結構普通に受け入れちゃってたから。コレ拒絶しといたほうが絶対最終的に感動がデカいよな〜!そうさせたいからこその序盤の流れなんだろうな〜!
そう思えるくらいこのちょっとした夕食パートは活きているし、この家での生活を大切に思うようになるよ。これを経てストーリーをなぞったからこそより一層深く感動したんじゃないかな。
あ〜〜〜ストーリーのことまだ書いてなかったか、ネタバレはしたくないからチョットだけにするけどコレも褒めるとこしかねぇよ〜。
王道ど真ん中を突っ走りながら予想外の展開も当然用意。上げるところはキッチリ上げて落とすところはキッチリ落とす。でも落としながらもユーモアを忘れずに暗くなり過ぎないようにカバーしつつ、それでいて茶化し過ぎない。
力で押しつつ技もあってバランス感覚に特に優れている。白鵬かな?勝って当然。強くてニューゲーム3周目だね。
さ、そろそろシメにかかろ。
まぁなんというかね、ここまでの開発の工夫は全部自分の感じたことを基にした妄想なんだけれども、仮に正しかったとしてそのまま話を進めるとね。
上の方でちょっと書いたけど、アクションの合間に一息入れさせたいだけなら、何も稲作シミュをガッツリ作りこまなくても他にいくらでも手があったでしょう。目を引くタメだったら尚更。アクションに成長要素として何か入れたかったとしたって稲作って。
あまりにも効率が悪すぎる。それでも稲作を選んだ。コレがベストだと信じて稲作シミュレーションを作りこんだ。80点じゃなくて100点を目指した。その結果、本格的でありながらもデフォルメが良く効いている、ゲームとして面白い稲作シミュが出来上がった。それはアクションやストーリーやプレイ体験にまで良い影響を及ぼして、渾然一体となり、このゲームは200点300点あげても惜しくないような類の逸品に仕上がった。地上の星でも流しといてくれ。
確かにね、巨大な開発規模がもたらすパワーみたいなものは無いのかもしれない。それでも出来るところまで全て出し切って作られていることは感じられるし、ひとつひとつ、キャラクターの動きから環境音、ちょっとしたテキスト、リトライの早さ、メーカーロゴすら出ない起動画面に至るまで、極めて丁寧に、そしてプレイヤーのことを考えて作られていることは誰の目にも明らかだ。
このゲームには必然しかないんだよ。アクションと稲作を組み合わせたことに始まり、サクナをはじめとしたキャラクターの設定も、シナリオの流れも、舞台設定だって。全てが必然で構成されている心地よさはまるで立体のパズルがキッチリと隙間無くハマったかのごとく爽快、機能美を追求した工業製品の佇まいがこのゲームにはある。いや農業ゲーだけどね。そんなゲームを遊べることが心から嬉しい。
最後にね、本当にこのゲームには機会を作ってでも触れて欲しい。泥の中で雨風に耐えて育った苗は今まさに黄金の穂を実らせました。一粒残らず一等米です。新米のうちにぜひどうぞ。
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